「ミニトマト」のプランター栽培 収穫成功への4つのポイント

ミニトマトプランター栽培成功のポイント プランター栽培やってみた
ミニトマトプランター栽培成功のポイント

我が家のベランダでは、毎年プランターでミニトマトの栽培を行っています。

自家製のミニトマトは、フルーツみたいに甘くて美味しいミニトマトが出来ます。

育て方によりますが、1株でだいたい100~150果ぐらいは収穫出来ます。

品種も色々ありますが、どの品種が良いのか迷っている方には「アイコ」をオススメします。

ラグビーボール型の細長い実が特徴で、果皮が厚めで裂果や傷みも出にくいです。

甘味も出しやすく、丈夫で育てやすいので、失敗が少ない品種ではないかと思います。

ミニトマト&ピーマン収穫
収穫したミニトマト(アイコ)&ピーマン

それでは、プランターでミニトマトを育てる際に私が注意しているポイントを挙げて行きます。

基本的な栽培管理(土作り、日当り、水やりなど)は行うとして、その他に下記の4つのポイントを意識しています。

①なるべく良い接木苗を買う

いきなりですが、失敗しない為にはここが一番重要なポイントかもしれません

「苗半作」という言葉がある通り、苗の出来次第で栽培の成否は半分決まると言われていますので、良い苗さえゲット出来れば、栽培が成功する確率がグッと上がります。

生き物ですので100%良いという保証は出来ないですが、失敗する確率を減らすためには出来るだけ信頼出来る苗屋さんから買う様に心掛けたいですね。

我が家は良いなと思った苗屋さんで継続購入しており毎年元気に育ってくれています。

ホームセンターなどの店舗でも苗を買う事は出来ますが、陳列されて買われるタイミングを待っている苗の中から選ぶよりも、プロの苗屋さんが出荷タイミングを見極めて出してくれる方が、良い苗に当たる可能性は高いのかなと思います。

良いお店、良い店員さんにアテがあれば、もちろん店舗でも良いと思います。

また、ミニトマトは種からも育てられますが、どうしても種から育てたい人以外は「接木苗」を購入した方が良いです。

接木苗の方が病気に強い土台と根を持っている為、失敗する確率をさらに減らすことが出来ます。

ミニトマト苗
ミニトマト苗

②大きめのプランター、たくさんの土

トマトは全般的に根を広く&深く張るタイプの野菜です。

ミニトマトは10号鉢などで育てる事も可能ですが、出来るだけたくさん土が入るプランターで広く深く根を張れるようにして育てましょう。

ベランダのスペースや持っているプランターによって制限はあると思いますが、我が家では下記画像の様な40リットルのワイドプランターにミニトマト1株、端にピーマン1株、他コンパニオンプランツ少々という植え方をする事が多いです。

ミニトマト植付
ミニトマト植付

夏野菜で同時期にナスやピーマンなどを育てる方も多いと思いますが、トマトと同じナス科の野菜ですので欲しがる栄養素も競合します。

限りあるスペースに出来るだけたくさん植えたい気持ちもあるのですが、40リットルプランターで同じプランターにナス科は2株まで、小さい物なら3株までを限度にしています。

プランターが小さい場合は、1鉢に1株にしておきましょう。

ピーマン系は比較的幅を取らないので、脇に一緒に植える事もありますが、トマトとナスは共に幅を取り大きく育つので同じプランターには植えない様にしています。

コンパニオンプランツに関しても、大き目の植物を植えてしまうと、プランター内で領土争いが起こってしまうので注意が必要です。

私の経験上では、バジルや大葉などはトマトと相性の良いコンパニオンだと思いますが、どちらも結構根が強くて大きく育つ植物なので、競合するような状態にならない様に、植える数や間隔には注意が必要です。

上記の画像ですと、真ん中のミニトマトに対して、右手前のバジルと左奥の大葉が今後大きく育つので、地中の根はだいぶ競合して行きます。バジルか大葉のどちらか片方にして、もう少しバランスを取るべきだったなと思っています・・・。

コンパニオンを植え過ぎたり、思ったより幅を利かせて来てしまった場合は、最悪は抜いてしまってでもトマトの根を張るスペースを確保してあげた方が良いです。

植物の種類にもよりますが、根が張る広さの目安としては、地上の葉が広がっている範囲と同じぐらいの広さで地中の根も広がっている事が多いです。

その点、ネギは他の植物の邪魔になりにくいし優秀なコンパニオンですね。

③計画的な仕立てと脇芽欠き

ミニトマトの苗をプランターに植える際にまず考えるのが、「仕立て」についてです。

我が家では、苗を植える際に「連結トマト支柱」を一緒に立てています。

「連結トマト支柱」に関しては、下記の別記事に詳しくまとめてありますので、興味のある方はぜひご覧下さい。

ミニトマト2本仕立て
ミニトマト2本仕立て

ミニトマトは上記画像の様な2本仕立てで育てています。

成長点を主枝1本と脇芽1本の計2本に限定し、それぞれ枝・葉が混まない様に別方向に誘引して育てて行きます。

管理のしやすさ、樹勢の維持、安定した収量などを考慮すると、2本ぐらいがちょうど良いです。

実の成る方向もだいたい決まってますので、それも意識して仕立てていくと管理がしやすくなります。

そして、その2本の成長点以外の脇芽は全て取る様にしています。

脇芽を伸ばしてしまうと、その分だけ栄養が分散してしまいますので、こまめに脇芽欠きをしています。

脇芽は、下記画像の様に枝分かれ部分の根元に生えてきますので、小さいうちに取り除く事で脇芽に栄養が取られない様にして行きます。

指でつまんで逆関節側に引っ張れば簡単に取れます。

ミニトマト脇芽
ミニトマト脇芽

④栄養成長と生殖成長のバランス

植物には「栄養成長」と「生殖成長」という成長の段階が存在します。

【栄養成長】・・・植物自身(茎・葉・根)の成長

【生殖成長】・・・子孫を残す器官(花・実)の成長

ミニトマトの特徴としては、苗の成長に合わせて1段ごとに実を付けて行き、下の段から熟した物を徐々に収穫して行く形になります。

ですのでどちらかに偏り過ぎる事なく、どちらもバランス良く並行して進める事が、品質の良い実を長く収穫する為のポイントとなります。

下の方で収穫が始まっていても、上の方では栄養成長も続けてもらわないとならないという形です。

この成長と着果の同時進行のバランスが悪くなると、収量が下がってしまう原因になります。

例えば、栄養成長に傾き過ぎている場合は、
「水分も栄養も十分だし、このままドンドン葉茎を伸ばそう!」
「子孫を残す事はまだしばらく考えなくて良いかな~?!」
といった具合で、葉・茎ばかり茂って花・実がなかなか着きにくくなります。

逆に、生殖成長に傾き過ぎている場合は、
「このままではヤバい!急いで子孫を残さねば!」
「次の段でなるべくたくさんの花・実を付けよう!(残った力を振り絞って)」
といった具合で、成長点の成長が止まったり、1段の着果数が増えたりします。

これらの傾向を踏まえて植物の様子を見ていく事で、各成長のバランスが見えてきます。

ミニトマト 成長しながら段々と実が成る
ミニトマト 成長しながら段々と実が成る

「栄養成長」と「生殖成長」のバランスを取る為に意識したい事

ミニトマトの「栄養成長」と「生殖成長」のバランスは、栽培環境が整っていれば特に何もしなくても並行して上手く進む場合も多いですが、上手く行ってない場合のサインを早めにキャッチする為に意識しておいた方が良い点を挙げておきます。

土壌の栄養素

「栄養成長」の段階では、主に葉や茎を作る栄養素であるチッソが多く求められます。
「生殖成長」の段階では、主に花や実を作る栄養素であるリンが多く求められます。

成長段階に合わせて、土壌環境に含まれる栄養素を調整してあげる事が出来れば、成長のバランスもとり易くなります。

具体的には、実が着き始めたら下記画像の様なリン・カリの割合の高い肥料を使います。

コーソゴールド
コーソゴールド

コーソゴールドは、100g中に「窒素:0-リン:8-カリ:5g」です。

トマト元気液肥
トマト元気液肥

トマト元気液肥は、100g中に「窒素:0-リン:5.5-カリ:8g」です。

リンは主に花・実を育てる為の栄養で、カリは主に根の成長に役立つ栄養素です。

チッソを控えてリン・カリを与えて、生殖成長をサポートする事で実の数も増えますし、味や品質も良くなります。

植物に必要な栄養素については、下記の別記事にもう少し詳しくまとめてありますので、興味のある方は是非ご覧下さい。

葉の量

葉が多くて光合成が活発になり水分や栄養が十分な状態の場合は「栄養成長」に傾く傾向にあります。

特に、栽培初期には生殖成長のスイッチがなかなか入り辛い場合がありますので、第一果が実るまでは少し注意して見ておく必要があります。

葉が茂り過ぎている場合は、余計な下葉を間引いて葉の量を減らしていくと「生殖成長」へ傾く助けになりますし、病害虫の予防にもなります。

実の量

「生殖成長」に傾きすぎると、1段の着果数が急に増えたりする事があります。

ミニトマト自身が、栄養面や環境面で何かしらのピンチを感じている場合、最後の力を振り絞って実をたくさん着けて、出来るだけ子孫を残そうという動きになります。

そして実がたくさん成る事で、力を振り絞り子孫を残す役割を終えた感が出て、栄養成長も止まってしまい枯れていく傾向になります。

着果が多いと栄養が分散されてしまい、1つ1つの実の品質も下がりますので、下記画像の様に1段6果程度を残して摘果・調整する事も有効だと思います。

特に「数よりも質」という志向の方は、1段の実の数にも注目して管理していただくと、1つ1つの実の品質を高くする事にも繋がります。

ミニトマト 摘果
ミニトマト 摘果

ミニトマトのプランター栽培成功の為のポイントは以上となります。

それでは、美味しいミニトマトがたくさん採れる事をお祈りしております!

ミニトマト豊作
ミニトマト豊作
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