「アスパラガス」はプランターで栽培可能?3年かけてやってみた話

アスパラガス プランターでやってみた プランター栽培やってみた
アスパラガス プランターでやってみた

アスパラガスは、ベランダーのプランターで育てられるのか?

しっかり収穫まで出来るのか?美味しいアスパラガスが食べられるのか?

私が3年かけて、実際にやってみた栽培の方法などを画像付きでご紹介します。

実際にやってみた感想としては、栽培の難易度はそこまで高くないと感じました。

プランター栽培「初心者」の方でもアスパラガスの栽培は可能だと思います。

そして、アスパラガスといえば「鮮度が命!」というのタイプの野菜です。

新鮮な物はそのまま生でかじっても甘くて美味しいです。

しかし、アスパラは市場を経由しながら数日経ってからお店に並ぶ場合が多いので、我々が買うまでに鮮度が落ちてしまいやすい野菜でもあります。

ですので「鮮度抜群のアスパラ」を味わう事が出来るならば、自宅でプランター栽培をやってみる価値は大いにあると思いました。

概要情報

栽培初心者の方にもなるべく分かり易い様に、まずは「アスパラガス」の概要情報からチェックしていきます。

植付の適期5~6月
収穫の適期4~9月(随時)
分類キジカクシ目 キジカクシ科 クサスギカズラ属 
特徴多年草、雌雄異株
適正ph6.0~7.0 中性~微酸性
適正プランター深型(深さ30cm以上)
2年目、3年目以降は
もっと深い物が望ましいです
栽培のポイント日当たりの良い場所、
肥料とお水大好き、水捌け大事
風で折れないように対策

アスパラガスは「多年草」という事で、数年に渡って栽培をして行く野菜になります。

種からの栽培も可能ですが、苗(または根)を購入してスタートした方が収穫までの期間を1~2年ほど短縮する事が出来ます。

根が深めに張って行く野菜ですので、プランターは深さ30cm以上の出来るだけ深型の物が望ましいです。

毎年1月〜2月ごろの根の休眠期間中に、一周り大きなプランターへと植え替えて土もリフレッシュをしてあげると、春以降の元気な成長が期待できます。

アスパラの収穫を目指すには、1年目は、葉・茎をしっかり養生して根っこに栄養を蓄えてもらい株を充実させることが大事です。

そのため順調に行っても、収穫が期待できるのは2年目、3年目以降となります。

アスパラガスは、根っこが本体で数年間栽培を続ける「多年草」野菜です。

購入した苗や根の大きさにもよりますが、収穫出来るまでに2年~3年かかる事が多いです。

苗の植付

アスパラガスの苗を株分け①
アスパラガスの苗

5月のある日、購入した苗をポットから鉢に植えてみた際の様子です。

スーパーで売られている「アスパラガス」の姿をイメージしていたので、送られてきた苗を見た時は予想とは全然違った姿にちょっとビックリしました。

今後が少々不安になってしまうぐらい、ヒラヒラと貧弱な見た目をしています。

ここで気を付けていただきたい事は、栽培の計画を立てておくことです。
この段階では、そこまで大きな鉢やスペースは必要ないのですが、アスパラは育てていくとかなりの大きさになります。

私の体感値ですが、最終的には1株に対して「縦・横で50cm×50cm、高さ2m程度」のスペースがあった方が良いです。
さらに風で煽られて大きく揺れますので、周辺のスペースはもっと余裕があった方が望ましいです。

まずは数年にわたってそのようなスペースを占拠されるという覚悟が必要となってきます。

「縦・横:50cm×50cm、高さ:2m程度」の余裕を持ったスペースを準備しましょう。

【アスパラガス栽培に必要なスペースのイメージ】

アスパラガス 栽培スペース参考
アスパラガス 栽培スペースのイメージ

新芽

苗を鉢に植えてしばらく経ちますと、細いミニアスパラ(新芽)が生えてきます。細くて緑色のつくしみたいな生え方です。

アスパラガスの新芽(ミニアスパラ)
アスパラガスの新芽(ミニアスパラ)

元々生えていた茎のヒラヒラ部分も少しずつ大きくなってきました。

どうやらこのアスパラ君たちは、このプランターで生きていく覚悟を決めてくれたように見えます^^

アスパラは、北海道産や長野県産など、冷涼な地域での栽培が盛んなだけあって15~20℃ぐらいが栽培の適温となります。

そうなると暑さの方に耐えられるのかも心配になってきますが、神奈川県の我が家の場合、真夏でも日当たりの良い日向に置いていますが元気に育っています。

一般的な日本の夏程度の暑さであれば、屋外栽培で耐えられます。

擬葉

6月です。梅雨と共に徐々にジットリ暑くなってきましたが、茎も葉も青々と健康的に伸びて元気そうです。

アスパラガスの擬葉
アスパラガスの擬葉


そして、前回生えてきたミニアスパラと同じような子達がさらに数本生えてきて、すごいスピードで伸び始めました。

そして、そのミニアスパラたちは「つくし形態」で、ビューン!と伸びて行くと、徐々に穂先を開いて「ヒラヒラ形態」に変わってく様な生え方をします。

ちなみに、この「ヒラヒラ」は「擬葉」(ぎよう)と言って、遠めに見ると「葉っぱ」の様にも見えますが、近くでよ~く見ると、細かい「茎」が枝分かれした物だとわかります。

この一本一本の細かい茎が、葉っぱの代わりに光合成をする事で、大事な栄養を蓄えて行きます。

たくさんの「擬葉」を元気に育てて、光合成が十分に出来る様に管理する事が大事です。

栽培管理

アスパラは栽培スペースさえ確保できれば、管理はそれほど難しくありません。

ベランダで数年間育てた実感としては、病害虫にも比較的付かれにくい野菜だと思います。

日常的な管理としては、主に「水やり」「追肥」「防風対策」といった所かと思います。

水やり

「水やり」は、新芽が生える春以降から、枯れる11月頃までは、毎朝行います。

あげる際は鉢底から水が染みだすぐらいタップリとあげて下さい。
土に水を通す事で、土の中の空気も入れ替えるイメージです。

水分が不足すると光合成に支障が出ますので、根に栄養を蓄えるパワーが落ちてしまいます。

特に夏場は水の吸い上げが多くなりますので、水を切らさない様に注意して下さい。

逆に、冬場の地表部が枯れた後は、水をあげる量や頻度は少なくて構いません。
毎日水やりする必要も無く、土が乾いてきたら水をやる程度で問題無いです。

どちらかと言えば、過湿よりは乾燥に強い植物ですので、冬場に夏と同じ勢いで水やりしてしまうとトラブルの元になりますので注意しましょう。

追肥

アスパラは肥料を好む野菜ですので、春の新芽が生えた段階から、秋に成長が止まるまでの間は継続的に追肥をした方が良いです。

夏場の「成長期」は、1か月に1度ぐらいの頻度で「追肥」を行いましょう。

我が家では、春・夏はおおまかに2週間ごとに「8:4:4の肥料の追肥」と、「木酢液・菌力アップの希釈液の冠水」を交互に行うイメージで対応をしています。

上記の使用資材に関して、詳しく知りたい方は下記のページを参考にしてください。

強風対策(茎折れ対策)

アスパラは、背が高い割に茎は細いので、強風で茎が折れやすい野菜です。
ですので、茎が「折れないように保護」をしてあげる事が重要です。

我が家の「強風対策」としては、スズランテープで輪を作り、柵と一緒にくくっています。

ベランダやバルコニーであれば、柵は必ずあると思いますので、新たに支柱を立てる必要もないと思います。

紐であれば外すのも簡単ですし、輪を少し緩くしておけば紐をつけたまま多少は移動も出来ますので、掃除をする時も楽です。

茎の全長の真ん中より少し上ぐらいの位置を支える感じで、茎が折れない様にバランスを保つようにしてあげて下さい。

我が家のバルコニーも、かなりの強風が吹きますが、この対策で茎折れはほとんどありません。

スズランテープは数か月は持ちますが、だんだん劣化してきてそのうち切れますので、ほつれが増えてきたら交換する事を推奨します。

支柱の代用として、ベランダの柵も利用可能です。茎が折れない様に支えましょう。

アスパラガス スズランテープでの強風対策
アスパラガス スズランテープでの強風対策

冬支度・越冬

11月になったら冬越しの準備をして行きます。

寒くなってくると茎や偽葉が、周りから徐々に黄色くなって枯れて行きます。

アスパラガス
アスパラガス 1年目 11月
アスパラガス 3年目 11月
アスパラガス 3年目 11月

冬はアスパラガスの地表部は全て枯れますので、黄色くなって枯れましたら、枯れた茎が腐る前に地際でカットして、土の中に根っこだけを残して越冬させます。

上記の枯れたアスパラガスを地際でカットした後の様子がこちら↓

アスパラガス越冬準備 地際でカット
アスパラガス越冬準備 地際でカット

カットした後、冬場の水やりは控えめにします。乾いたら水をやる程度で毎日あげなくても大丈夫です。逆に過湿は良くない為、水のやりすぎに気を付けましょう。

冷涼な気候を好む野菜ですので寒さにはある程度強いですが、根っこまで完全に凍ってしまうと深刻なダメージとなってしまいます。
霜や氷結には注意して観察しましょう。

ちなみに神奈川県の我が家では、毎年屋外で冬を越す事が出来ています。

なるべく日中に日当たりの良い場所を選びつつ、リビングの窓際付近に置いてます。
リビングの暖房の漏れによって若干の保温効果があるかもしれません。

年によっては記録的な寒波が来る場合もありますので、心配な方は、敷き藁・マルチ・不織布などで、さらなる保温対策をしてあげればより安心かと思います。

出来るだけ良い管理で冬を超えてもらい、また来年の春に元気に新芽が出てくる日を待ちましょう・・・。

地表部を刈り取って根っこを越冬させます。関東地方並みの気候なら屋外で冬を越せています。

植え替え

アスパラガスのプランター栽培では、出来る限り毎年、植替えを行う事が望ましいです。

新しい土の入った前年より一回り大きな鉢に植え替えると良いです。

新しい根が健康に成長する為のスペースと、しっかり栄養を吸収できる土壌を確保してあげましょう。

冬の間の根が休眠に入っている間に植替えをしてあげましょう。だいたい2月の間ぐらいまでに行っておくと安心です。
だいたい3月後半には新芽が生えてきますので、3月に入ると新しい根が動き始めている可能性があります。

毎年2月ごろに新しい土に植え替えてあげると、健康に成長しやすいです。


この後は年ごとのアスパラの植え替えの様子をご紹介して行きます。
画像を見ていただければ、アスパラの根の成長の勢いを感じていただけると思います。

1年目の植替え

2月になると、少しだけ暖かい日も増えてきます。
休眠が明けて根が動き出す前に一回り大きな鉢に植え替えておきましょう。

鉢をひっくり返してみると・・・鉢の中でギッシリ根が張って抜けなくなっていました。

アスパラガス 苗 植え替え 1年目


鉢を押したり、引いたり、叩いたり、格闘の末、なんとか抜けました。。。

鉢底石も巻き込んで、とんでもなく窮屈な思いをさせてしまっていたようです。
これでは、これ以上成長しようという気が起きなくなってしまうのも無理はないですね・・・。

やはり鉢の大きさは、気を使ってあげたほうが良いですね(^_^;)

1年目のアスパラガス植替え

今回は巻き込んだ鉢底石を除去し、なるべく根を痛めない様に少しほぐしてから一回り大きな鉢に植え替えました。

下記が「植え替え後」の3月に新芽が生えてきた画像です。

冬の間、変化の無い土を眺めるだけの日々が続きましたので、しっかり生きていてくれたことへの安心感と共に、久しぶりに顔を見られた事によって、非常にテンションが上がりますね!

植替えでリニューアルした土から、なかなか立派な太さでニョッキっと顔を出してくれると収穫にも期待が膨らみます!

アスパラガス 2年目 新芽
アスパラガス 2年目 新芽

2年目の植替え

2年目も春になる前に、植替えをしようとは思っていました。

予定では根の休眠中(2月ごろ)には、完了するつもりでいました。

しかし期末に向けて忙しかったり、正直、「植替え面倒だな~」と思っていた部分もあり、実際は3月までほったらかしてしまいました。

その結果、植替えをする前に新芽がニョッキっと出てきてしまいました・・・。
新芽が出始めるとドンドン生えて伸びてきてしまうので大変です。

本来は芽が出る前に植え替えを完了しておくべきだとは思うのですが、このまま窮屈な中でもう一年過ごしてもらうよりは・・・と思ったので、芽が出た状態ではありますが、思い切って植替えを実施しました。

2年目の根は、1年目より根もさらに大きく、増えていました。
この頃になると根の大きさや量がかなり増えていますので、結構大きな植木鉢かプランターが必要になります。

大きなプランターに変えるのが難しい場合は、思い切って根っこを切り分けて分割する事で、根が成長するスペースがある土壌環境を確保してあげると良いと思います。

アスパラガス
2年目のアスパラガス植替え
アスパラガスの根
2年目のアスパラガス植替え

3年目の植替え

3年目も植替えをしたのですが、ご覧の通り底面に根がビッシリ生えていました。

これが植わっていた不織布プランターは深さ40cmほどありました。

プランターを外してみて、ここまで底面に根が張っているという事は、40cmでも深さが不十分という事なのだと思います。

3年目のアスパラガス植替え
3年目のアスパラガス植替え

根が深く伸びるので、2~3年目以降は出来るだけ深型のプランターに植えましょう。
深さは最低30~40cm、出来ればそれ以上あると良いです。

収穫!

2年目の収穫

結果から言いますと、2年目の春は収穫の適期を逃してしまいました・・・。

アスパラ収穫の初心者だった事もあり、2年目でそんなに立派な芽が生えてくるとは思ってなかった事もあり、「収穫するぞ!」という心の準備が出来てなかった事が一番の敗因です・・・。

収穫すると「株が弱りそうだな~」という考えもあり、すっかり腰が引けた状態で数日見守っていると、すごいスピード伸びてしまいまして「あれ?もうちょっと固くない?」っていう感じになってしまいました。

本当に伸びるのがめちゃくちゃ早いです。
数日であっという間に伸びきってしまい、茎が固くなってきてしまいます。

どのぐらいで採って良いのか?イマイチわかっていなかった事も、今思えば敗因でした。


仕方なく2年目は収穫はほぼ諦めて、さらに栄養を蓄えてもらう事にしました・・・。

アスパラガス苗 2年目 春
アスパラガス苗 2年目 春
アスパラガス苗 2年目 春
アスパラガス
収穫した自家製アスパラガス(2年目は1本だけ)

生え始めたら伸びるのが早い為、収穫適期を逃さない様に「心の準備」も大事です。

3年目の収穫

3年目は土がたくさん入る不織布のプランターに移しました。

おかげでたくさん太い茎が生えてて来たので、しっかりと自家製のアスパラガスを収穫する事が出来ました!

正真正銘の採れたて野菜「超新鮮なアスパラガス」でございます。

すぐにさっと炒めて食べてみました。(オリーブオイル、塩、胡椒)

すごく美味しかったです!!!(食レポの才能が無くてすいません…)

アスパラの風味と甘味が凄いです。生でもかじれます。

春野菜パスタなどに入れても本当に美味いです。

普通に売っている物との違いが実感できたので、改めて鮮度が凄く大事な野菜だなと思いました。

3年目のアスパラガス
3年目のアスパラガス
3年目のアスパラガス2
3年目のアスパラガス2
収穫したアスパラと間引きレタス
朝採れアスパラガスとレタス間引き菜

上記の短いアスパラは10cmぐらいでしたが、子供が折ってしまいましたので仕方なく収穫。。。^^;

やはり伸びるのがすごく早いので、採れるチャンスは一瞬といいますか、1本ごとの収穫適期はほんの数日だと思います。見逃すとすぐに伸びて固くなってしまいます。

ですので、良い感じの太さの物が生えてきたら狙っておいて、15~20cmぐらいで(気持ち早めに)採ってしまう方が良いと思います。

30~40cmぐらいに伸びてしまった場合は根本の方の皮が固くなってきます。

でも芯は甘くて美味しいので、調理する際に根本の方の皮を削いで使えば美味しくいただけます。

とはいえ「平日は忙しいから週末に採ればいいや~」とか油断していると、すぐに適期を逃してしまいますので気を付けて下さい。

3年目は、株の体力がついている感じも凄く伝わって来たので、直径1cmを超えている茎は思い切ってドンドン収穫しました。

春は2~3週間ぐらいを目安に太い物だけ収穫して行って、太い物が出なくなったり生えるスピードが落ちたら収穫をストップすればよいと思います。

同時にたくさん生えてきますので細い茎は収穫せずに伸ばしておいて、早めに光合成がたくさん出来る状態にしてあげましょう。

擬葉をたくさん広げてもらい、しっかりと光合成で栄養を蓄えてもらえる状態を早めに作ってあげて次の収穫にも備えるというイメージです。

株の調子が良ければ、夏から~秋にも追っかけで新たな芽が生えてきますので、株が元気で太い物が生えて来るようであればそちらも収穫しても大丈夫です。

やっぱり鮮度が命!採れたてのアスパラは本当に美味い!!

検証結果

苦節3年。
色々ありましたが、マンションのプランター栽培でもしっかりとアスパラガスの収穫は出来ました!

これ以降も10年ぐらい毎年収穫が楽しめるはず・・・。今後も毎年楽しみです。

ただ、スペースを数年にわたり占拠しますので、場所に余裕がない場合は相性が悪いかと思います。

背丈も高くなるのでマンションの場合、外(1階)からも見えてしまう場合があります。
そういった事が気になる方も合わないかもしれません。

逆にその辺りの条件が合えば、アスパラガスは栽培初心者の方にも育てやすい超オススメの多年草野菜です。

個人的には、見た目もユニークな姿でユラユラと可愛いですし、バルコニーの景観にもマッチしているのでとても気に入っています。

我が家はこれからもアスパラさんと末永くお付き合いして行きたいと思います。

検証結果

アスパラガスは、プランターでも栽培可能でした。
大きくなるので場所は取りますが、管理の手間も少なめ。病害虫リスクも低め。
栽培初心者にも大変お勧めなプランター野菜です!
そして、鮮度が味に直結する野菜ですので自家栽培向きでもあります。

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