「ズッキーニ」のプランター栽培 ベランダで収穫出来るのか?

ズッキーニプランター栽培実録 プランター栽培やってみた
ズッキーニプランター栽培実録

今回はズッキーニです。美味しいですよね。
クセがなくて、いろんな料理で使いやすい野菜だと思います。

時期によりますが、スーパーで買うと1本100~200円ぐらいのイメージでしょうか。
ナスなどと比べても少々割高な印象がありますし、自宅のプランターで作れたら嬉しいですね。

苗を買ってしまっても良いかと思いますが、ズッキーニは種から始めてもそこまで難しくなさそうですので、今回は種蒔きからトライしてみようと思います。

「ズッキーニはプランター栽培に向いている」という話も聞きますが、実際どうなの?という検証も含めて「種蒔きからズッキーニのプランター栽培」を実際にやってみようと思います。

概要情報

種蒔き3~4月
収穫6~8月
分類ウリ科カボチャ属 
特徴雌雄異花同株
適正ph6.0~6.5 弱酸性
適正プランター根は浅く広め、縦横30~50cm以上は欲しい
ポイント日当たりの良い場所、株間を空ける、1株だと受粉し辛い

ズッキーニの実の見た目からは、キュウリとかナスっぽさを感じますが、別名は「つるなしカボチャ」と言うそうです。意外にもカボチャの仲間なんですね。

成長すると、茎・葉がバサッと大きく広がりますし、根が浅く広めに張りますので、畑での株間は70~100cmほど空ける事が推奨されている様です。

プランターにおいては、株間というよりはなるべく土の面積の広いプランターを選び、1鉢に1株という考え方の方が良いのかなと思います。

同じ株に「雌花と雄花が別々に咲く」ウリ科です。
1株だけで育てると雄花と雌花の咲くタイミングによって受粉が難しくなります。

種蒔き

4月です。濡らしたキッチンペーパーに種を挟んでおいて、丸1日、水を吸わせておきました。

数に余裕を持って、7ポットに1粒ずつ種を蒔いてみたところ、数日で7つとも全て発芽しました。

種が良かったのか、温度や環境が良かったのか、ズッキーニ自体の生命力が強いのか、いずれにしてもなかなか順調ですので、今後がますます楽しみです。

ズッキーニ

余談ですが、上記画像の様な育苗ポットやポットを乗せるトレーですが、ネットで苗を購入すると一緒についてくることが多いです。

それらを取っておくとだんだん増えてくるので、わざわざ買わなくても大丈夫かなと思います。

二葉~本葉

5月です。発芽から数日経ちました。

見事に二葉が生えそろいまして、皆さんかなり順調に育っています!!


この中からプランターに移植するのは、2株だけと決めていたのですが、、、甲乙つけがたいぐらい皆さん元気に育っています・・・。

こうなってくると「3株ぐらい残してもいいんじゃない?」とか、「こんなに元気な苗を処分するの?かわいそうじゃない?」的な気持ちになってくるわけですが、ここがスペースの限られたプランター栽培の辛い所です。

しっかりと成長後の姿と大きさを予想して、スペースを確保した植付ましょう。
ここで心を鬼にする事が出来ないと、後々株が混み過ぎてしまい上手く育たない原因にもなってしまいます。

という事で、過去にやってしまった数々の密植失敗例を思い出しながら、心を鬼にしてプランターに移植するのは2株までというルールを厳守していきたいと思ます。

定植は、本葉が数枚出てきてからにしようかなと考えていましたが、二葉自体がかなりしっかりした葉っぱである事と、なんだか「ポットが窮屈!」と言ってる様に見えてきました。

なので、まだ本葉の元が真ん中にチョロっと出てきた段階ですが、プランターへ植え替えてしまおうと思います。

(幸いにもプランターに行けなかった子達も、今回は別の里親が見つかりました^^)

成長すると地表部が大きくなる為、大き目のプランターに余裕を持って植付けた方が良いです。

植え付け

ポットで育てた7苗の中から、2苗を選んでプランターに植替えました。

残念ながら植え替え直後の写真は撮り忘れてました・・・><

ある程度スペースにも余裕が出来たからか、定植後も非常に元気で順調に育っています。

6月になり、本葉がかなり増えてきました。


この後の立体栽培を想定して、この辺かな?という場所に支柱を立てておきました。

どのように支えて行けばよいか、育てながらいろいろ試してみようかと思います。

そして、よく見ると雌花と雄花のつぼみが出来始めていました。
雌花にはミニズッキーニの様な物が付いていますね~。

開花が楽しみです!!

開花

6月中旬です。
ついにズッキーニのつぼみが開花しました!

綺麗な花ですね~!

ズッキーニ 開花



しかし!

残念なことに、雄花だけ先に咲いてしまい、雌花がなかなか咲いてくれません・・・。

花は朝に咲いて、だいたい1日で萎れていってしまいます。

つまり、上手い具合に雌花と雄花の咲くタイミングが合ってくれないと、受粉がなかなか出来ません・・・><

「ナス科」のナスやトマトは花が咲いたら勝手に実になるイメージですが、ズッキーニは「ウリ科カボチャ属」でカボチャの一種となり、「雌雄同株異花」という雄しべと雌しべが別々の花に付いています。

畑でたくさんの株がある場合は、雌花も雄花もたくさん咲きますし、虫などのおかげで自然受粉する可能性も高いと思います。
しかし株数の少ないプランター栽培の場合は、人工授粉が成否を握る可能性が高いです。

受粉が上手く出来なかった実は、しょぼ~んとなってしまい肥大しません。
先から腐ってくる場合もあります。

結果としては、初めて咲いた雌花たちは、タイミングよく受粉が出来ずに残念な感じ↓になってしまいました・・・。

ズッキーニ 受粉失敗
ズッキーニ 受粉失敗


幸いにも2株はありますので、なんとか上手いことタイミングを合わせて開花してくれる事を願って、毎朝、綿棒を持って人工授粉のスタンバイしたいと思います。。。

授粉を効率良く行うためには、複数の株を同時に育てた方が良いです。

人工授粉

毎朝、花の咲き具合をチェックしながら、綿棒を構えて待つこと数日。

ついに雌花と雄花が同時に咲いてくれましたので、すかさず雄花から綿棒で花粉を取り、雌花にチョンチョンと付ける事が出来ました。

綿棒や筆など柔らかい物で花粉を取って雌花に付けましょう。

雄花ごと摘み取ってダイレクトに雌花に付けてしまっても良いかと思います。

花は朝に咲いて日暮れ頃にはしぼんできますので、タイミングの勝負となります。
新鮮な花粉を取る為にも人工授粉は「朝」に行いましょう。

ズッキーニ 花
ズッキーニ 花

下の画像のキュウリみたいなのが付いている花が雌花です。受粉が出来た雌花のズッキーニが順調に大きくなってくれる事を祈ります。

収穫!

7月になりました。前回、人工授粉が出来たズッキーニが、ある程度大きくなったので、ついに初の収穫をする事にしました。

もう少し大きくなるまで待っても良いのかなとも思ったのですが、あまり大きくなり過ぎると味も落ちるし、株にも負担をかけるので、20cm弱ぐらいで早め早めに収穫した方が良いかと思います。

10cmぐらいで花がついている状態で、花ズッキーニとして収穫するのもアリです。

テレビのリモコンぐらいの大きさで収穫。少し根本が細ってますが、、、美味しそうです。

ウリ科カボチャ属の野菜ですが、味にクセが全く無いので、様々な使い方が出来ます。
使い方としてはナスに近いイメージかなと思います。

さっそく、自家製のナスとエンドウと一緒に切って、ニンニク・ごま油と炒めてみました。
味は塩・コショウとめんつゆをチョロっと。

これはかなり美味かったです!
具材のほとんどが自家製バルコニー産という事もあり、大満足のおかずになりました。

立体栽培

「立体栽培」という事で、どのようにズッキーニを立てて行こうかというお話なのですが、

ズッキーニは、カボチャ属なのですが、ツルはほとんど伸びません。
しかし、放任すると自重で茎が倒れて、地面に横たわる感じで伸びて行きます。

そのままにしておくと、葉っぱや実が土にまみれてしまったり、日当たりや風通しも悪くなってしまう為、傷みや病気の原因にもなりかねません。

なるべく「土に付かない様に」かつ「風にも耐えられる」様に支えてあげる事が大事です。

今回は「クロスして立てた支柱に乗せるだけ大作戦」を決行しました。

少し見えづらいですが、緑色の支柱をバッテンに立ててその上に葉や茎を乗せてあります。

これだけで葉や実を土から離して、全体の風通しや環境は良くなりますし、強風にもある程度耐えられる状態になっています。

ただし、動かす時は気を付けて下さい。
ズッキーニの茎は空心菜の様に中が空洞になっているので、見た目以上に折れやすいです。
風が無くても自重で折れ曲がってしまう場合もあると思います。

本茎が上記の画像ぐらい伸びてきた場合は、クロス支柱を2セット立てるなどで支持力を上げておいた方が、安定感と安心感が増すかと思います。

立体栽培の方法としては、他にも色々な方法があると思います。

立てた支柱に葉を2本寄せて挟んで緩く縛るなどの方法も試してみましたが、寄せたり縛ったりなどの作業には結構なリスクを感じました。

葉茎があまり丈夫ではない為、茎を折ってしまう可能性があります。

そして、どんどん成長して行くので、その都度縛る場所を変えなければならないというのも面倒です。

その辺りを考慮しても、プランター栽培では上記の支柱クロス方式が1番楽で安定感があると思います。

成長の特徴

ズッキーニは花と葉を交互に生やしながら本茎だけが伸びて行きます。
その特徴として、主枝の成長点以外からはあまり成長しないという点があります。

つまり、不慮の事故などで摘心してしまった場合は、ほぼジ・エンドとなってしまいます。
枝分かれや脇芽からの成長はほぼ期待出来ないと思っておいたほうが良さそうです。
この辺りは、また次回の栽培で検証してみたいと思います。

そして、実がついたところより下の葉は順番に枯れてきますので、風通しを良くするために下葉はこまめに処理した方が良いと思います。
上記画像の茎に付いている白っぽい斑点は、もともと生えていた葉っぱをカットした跡です。

下葉は根本からカットしてあげたほうが良さそうです。
葉茎のカット残りがあると、根本部分に水が溜まったり腐ったりして、不衛生な環境になりやすいです。

アブラムシ&うどんこ病

原因はいろいろあると思いますが、無農薬での栽培という事もあり、我が家では結構「アブラムシ」が発生しました。
その年の天候の良し悪し、チッ素成分の肥料が多い、同時に栽培している他の作物との関係など。
色々な要素があると思います。

そして「うどんこ病」も発生しました。そもそもの土や、周りの作物から来る場合もあると思いますが、アブラムシが増える事によって、さらに発生確率が高くなると思います。

6月の梅雨空け辺りから、虫や菌も活発になりますので、夏の収穫期の終わりまで、いかにこやつらの発生を「防ぐ」または「遅らせる」かが、収量を上げる為のポイントになりそうです。

今回我が家のズッキーニは、歯ブラシ&木酢液で毎週末アブラムシを叩き落としていましたが、梅雨明け~7月ごろにはうどんこ病が発生してしまい、そこからは実が太らなくなってしまいました。

それまでに2株でそれぞれ数本ずつは収穫出来ましたが、ちょっと回復は望め無さそうでしたので今回はそこで諦めて終了しました。

検証結果

結果としては、収量は少な目でしたが美味しいズッキーニを収穫する事自体はプランター栽培でも可能でした。

第一の感想としては、思っていたよりも葉茎が大きく広がる野菜でした。
畑で栽培する場合、横たわって行くと結構面積を取ってしまうと思いますので、プランターでなるべくコンパクトに立体栽培するのはアリかと思います。
プランターの場合でも鉢の様な狭い物よりも、土の面積が取れるワイドタイプの物が良さそうです。

しかし、複数株を同時に育てないと効率よく受粉する事が出来ない為、出来れば3~4株以上は同時に育てたい所ですが、それはそれでまた沢山のプランターとスペースが必要となってしまいます。

ですので、たくさんの収穫を目指す場合は「今年の夏はズッキーニ達と心中するわ!」ぐらいの覚悟を持って、スペースを確保してたくさんの株を育てて受粉効率を上げて行く必要があるのかなと思います。

という事で、プランターでたくさん収穫する為のハードルは少々高い野菜かもしれません。

逆に「そこそこ収穫が出来て楽しめればOK!」というスタンスで、少ない株でユルユルとやる感じで良いのであれば、栽培の難易度はそこまで高くないですし、人工授粉などのアクションも含めて楽しめるのではないかと思います。

なかなか特徴的な面白い夏野菜でしたので、私も収量アップを目指してリトライしてみたいと思います。
興味が出た方はぜひプランターでチャレンジしてみて下さい。

検証結果

ズッキーニはプランターでも栽培可能でした。
ただ、収穫量を増やすには、同時に育てる株の数がある程度必要だと思います。
今回は2株で育てましたが、雄花・雌花の咲くタイミングがなかなか合わなかったです。
収穫量を増やすためには、3株~4株以上を同時に育てて受粉効率を上げた方が良いです。

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