出来るだけケミカルな資材を使わずに、健康的に野菜を育てる為に、有用菌の力を借りてみる。
プランター栽培ならではの土づくりに対する考え方と、土の状態を良くする為の資材をご紹介します。
【前置き】土に対しての考え方
野菜、植物の種類によって色々な管理や適した資材があると思うのですが、病害虫の増殖を抑えるために、プランターの土を出来るだけ「良い状態」でキープする事が大事だと思います。
そうなってくると「良い状態」とは何ぞや?というお話になってきますが、土を構成する要素を考えると、栄養面、物理面、PHなど、多様な側面があります。
今回はその中の一つ、「土の中の細菌・微生物」という点にスポットを当てて行きたいと思います。
その中で「良い状態」とは、「多種多様な菌が健康的にバランスよく活動している状態」と言えると思います。
多種多様な有機成分(エサや栄養)がバランスよく含まれていて、そこにそれらを好む多様な菌が集まってバランスよく働いている状態が続く事が理想です。
肥料に含まれる有機成分は、菌に分解してもらう事によって植物が吸収出来る栄養になります。
逆に言えば、菌や微生物が働いて無い土に、有機肥料を入れても栄養にはなりません。
これは、目に見え辛い世界ではありますので、正確に確認するのは難しいと思います。
しかし、土の中で菌や微生物が働いているという点は間違いない事実だと思いますので、目に見え辛いながらもこの視点は大事にして行くべきだと思います。
反対に「良くない状態」というのは、病気の原因になる菌や、植物の成長を阻害する虫などが、上記のバランスを壊してしまう位、たくさん繁殖してしまっている状態なのだと思います。
そして、上記のバランスを壊さない為に、又は壊れてしまったバランスを元に戻す為に、農薬という物があります。
薬や肥料を入れる事によって上手にバランスが取れるのであれば、それは素晴らしい事だと思います。
しかし場合によっては、薬の効果を強くする為に極端な成分になっていたり、人体に有害な成分が入っていたり、細菌や微生物のバランスをさらに壊してしまう可能性もあります。
そうなると逆効果になってしまったり、効果はあっても一時凌ぎ的な事になってしまったり、長期的に良い状態をキープするという考え方とは少し違ってしまうのかなと思います。
趣味のプランター栽培としては、自分の家で食べる野菜を作る事が目的で、子供も触ったり食べたりする可能性がありますので、出来る限り不自然な成分の薬は使いたくないですよね。
しかし、病害虫は一定以上発生してしまうと、そこから持ち直すことは難しい場合が多いです。
ですので、病害虫をそもそも発生させにくくさせる為に、普段から土の細菌環境や健全なバランスを意識する事が大事だと思います。
それに加えて「植物の自浄作用の最大化」&「日々の見回りによる早期発見」などを意識する事で、致命傷に至る前に手を打って行けたら良いのかなと思います。
そうはいっても自然が相手ですので、頑張って手を尽くしても病害虫にやられてしまう事もあります。
その場合は、原因を考えて反省を次に生かすことが出来れば、それはそれで良いのかなぐらいのスタンスで臨むことが、趣味としてプランター栽培を続けていく上では大事なのかなと思っています。
と、前置きが大変長くなってしまいましたが、、、
そんな私がおすすめしている資材が、下記の水や土に混ぜて使うタイプの資材です。
凄い効果があるというよりは、効き目は比較的マイルドな物が多いですが、土や植物に対する有用菌を増やし、普段から土のバランスを良い状態で持続させる事に効果があるのではないかと思います。
菌力アップ

菌力アップ
2リットル 1,980円
使い方にもよりますが、2Lで数カ月は使えると思いますので、コスパも良いのではないかと思います。
菌力アップには、たくさんの種類の有用菌が含まれており、有用菌を増やし活性化してくれます。
使用方法としては、月に1~2度ぐらいを目安として、水やり前のジョウロにチョロチョロっと入れてます。
土に肥料などの栄養素がしっかり入っていたとしても、土の中で有用な菌がしっかり活動して適切に分解をしてくれていないと、せっかくの栄養素を効率よく取り込めない状態になってしまいます。
そのバランスを手軽に補ってサポートしてくれる資材です。
成分としては、自然由来で安心感もあり、変な匂いも少ないです。
使用する際の注意点やデメリットもあまり無さそうですので、気軽に使いやすい資材です。
しかしただこれをかけるだけではなく、土の側に菌のエサとなる有機成分もしっかり補充する様にしたい所です。
プランターの場合は、畑と違って土を通り抜けた水が排水されてしまう為、土の有用な成分も排水と一緒に徐々に流れてしまい、時間が経つにつれてカスカスな状態になりやすい為、そこを補って行く事が大事なのかなと思います。
木酢液

純正 木酢液
2リットル 2,035円
こちらも一般家庭では、2Lあれば数カ月は使えると思いますので、コスパ良好だと思います。
木酢液には、殺菌効果・害虫忌避効果がある事は有名だと思いますが、含まれている成分が有用菌のエサにもなります。
ただし、原液は強めの酸性で消毒力も強い為、規定通りにしっかり薄めて使わないと、土のphが酸性に偏ったり、有用菌まで殺菌してしまうなどの弊害が出る可能性もありますのでご注意ください。
また、特に木酢液はメーカーにより品質にバラツキがありますので、安すぎる物は避けたほうが良いかもしれません。
こちらも使用方法は、月に1度程度を目安に、水やりのジョウロにチョロチョロっと入れてます。
また、木酢液は、冠水(土に水をかける)だけでなく、葉面散布も行っています。
その際もしっかり薄めて霧吹きでシュッシュと、葉の表、裏、茎など、まんべんなくかけています。

植物は、葉からも栄養を吸収するそうですし、植物表面の細菌・微生物環境を良くすることも、病害虫に対抗するためには大事ではないかと思っています。
特にハダニが出てきた時は、ハダニの逃げ場が無いぐらいに、葉の表・裏から茎まで、植物全体にビチョビチョにかけてます。
目視出来るハダニは歯ブラシなどで落とした後に、木酢をシュッシュしておけば、効果が高いと思います。
ただし、夏場のお昼に葉面散布をしてしまうと、特に水が溜まりやすい葉っぱの植物は、日光で葉焼けを起こし易いので注意して下さい。

ちなみに木酢液は、ゴキブリにも忌避効果があるそうなので、葉面散布のついでに家の窓回りや寄らないで欲しい場所にもシュッシュしてます。
見かける数はゼロでは無いものの、年々見かける数が減っているので、ある程度効果がある様な気がします。
燻された匂いが山火事などを連想させるのでしょうか?
虫が人間の何倍もの嗅覚がある事を想像すると相当強烈に匂うのではないでしょうか。
木酢の匂いが嫌いな人には厳しいかもしれませんが、燻製のような匂いが自分は割と好きです。
天然100% 野菜の石灰

天然100% 野菜の石灰
1袋(1kg) 297円
これはコスパ最高ですね!!
これは皆さんご存じの事かとは思いますが、プランターの場合、植物の成長や酸性の雨にさらされるなどの影響により、土のPHは徐々に酸性に傾いていきますので、アルカリ性の資材を入れて中和し、PHの調整をしてあげる必要があります。
特に酸性土壌が苦手な野菜は、PH計測器を使ってチェックしておくと間違いが無いと思います。
石灰にも、消石灰などアルカリ性が強烈な物もありますが、プランター栽培で土に混ぜ込む場合は、強烈すぎて少々使い辛いです。
この石灰は、天然石灰が主ですので、緩やかにダラダラと長く効くタイプに属すると思います。
プランターの場合は、ダラダラと効く石灰の方が失敗も少なく管理がしやすいのかなと思います。
プランター全体の土の再生をする際にも、次に育てる野菜に合わせて混ぜておきます。
栽培中にも追肥などのタイミングと併せて、この石灰を土に混ぜ込む様にしています。

ご覧の通りこの石灰の良い所は、石灰以外にも有難い天然成分がいろいろ含まれており、欠乏しがちな土の微量成分を補ってくれます。
特に「石灰:カルシウム」と「苦土:マグネシウム」は「窒素・リン・カリ」の3要素の次に重要な栄養素だと思っています。
カルシウムとマグネシウムは特に根の成長を促進する事と、細胞の健康を守る防御力をアップして病気に対する抵抗力を上げる効果もあります。
この様にこの「天然100% 野菜の石灰」は、ただ酸度調整をしてくれるだけではなく、重要な栄養素を補給する役目を果たしてくれます。
こうした形で多様な資材・栄養素を補っておく事で、色々な菌がバランス良く働いており、バランスの良い栄養素を含んでいる良い状態の土を目指しています。